
少年たちの夏と秋を描く青春小説。半袖シャツに半ズボン姿の二人の少年が、水中を漂うように並んで立ち、片方は赤い金魚を、もう片方は黒い魚を抱えている。背景は淡い藍と水色の透明水彩で塗られ、気泡や鱗状の模様が画面を満たす。タイトルは右側に大きく縦組みで配され、墨の濃淡を残した手書き風の運筆。サブタイトルは細い明朝で小さく添えられ、余白の白さが水面の光のように働く。涼やかな絵と静かな書体が、季節と少年期の境目に漂う淡い時間を封じ込めている。
著来栖ゆき
装丁関戸愛
マイナビ出版 / 2016年
文学・評論