
高校を舞台に、教室というありふれた場所に潜む違和や謎を描く青春ミステリ短編集。背中合わせに立つ制服姿の少女と少年の柔らかなイラストが、淡い水色から白へとにじむ画面の中央に据えられる。スマートフォンを手にする少女、本を抱える少年、二人の足元には光の粒が散り、教室の窓辺に差す朝の空気のような透明感が漂う。タイトルは右と左に大きく分けて縦組みされ、明朝体の細い線が背景の薄い色面をそっと区切る。互いに視線を交わさない二人の距離と、揺らぐ淡色のグラデーションが、確かめようのない感情の輪郭を静かに浮かび上がらせる。

著カルロ・ゼン
装丁永山千尋
装画村
KADOKAWA / 2016年
文学・評論