
タイトルが示すのは、テレビという装置の周りで起こる出来事を追う物語の気配。表紙には、スポットライトを浴びて立つ三人の人物像が、朱・橙・紺の鮮やかな配色とハーフトーンの粒子で平面的に構成される。帽子を被った中央の人物と両脇の影、放射状に伸びる光線が、舞台かカメラの前を思わせる構図をつくる。タイトル文字は黒の角ゴシックで人物の上に重ね置かれ、画面の枠を割って前に出てくる。ブラウン管時代の色と熱を呼び戻すような一冊。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論