
学校のプールサイドに立つ制服姿の少女と少年。額賀澪が高校生たちの揺れる関係と、過ぎ去る季節の手触りを描いた青春小説。表紙はやわらかな水彩タッチのイラストレーションで、夏の木陰、フェンス、水面に伸びる人影までを淡い緑と水色で覆う。空には透明なシャボン玉が散らばり、プールの水面と呼応する。タイトルは斜めに傾いだ青いラベル風の地に白で抜かれ、画面の右上を軽やかに横切る。澄んだ水と泡の質感が、二人の間にある一夏の甘さと、その終わりの予感を静かに伝える。
著桜庭一樹
装丁関口信介
装画マツオヒロミ
文藝春秋 / 2017年
文学・評論