
イタリアの作家が1935年に発表した、古い森と精霊たちをめぐる幻想譚。風や動物と語らう森の番人と、森を支配しようとする者との対立を、寓話のかたちで描き出す。表紙には、深い緑の森と青い山並みを背景に、星のついた三角屋根の家がコラージュのように立つ。クレヨンや絵具の重なりがそのまま残された手描きの絵肌、白い点描の雪、原色のパッチワーク状の壁面が、童話的でありながらどこか神話的な気配を漂わせる。素朴な画材のざらつきが、語り継がれてきた森の時間そのものを思わせる一冊。

著SeethalerRobert、酒寄進一
装丁塙浩孝
装画中村幸子
東宣出版 / 2017年
文学・評論