
サウナという文化を、入浴の作法から「ととのう」までの体感まで丁寧にひも解いていくコミックエッセイの第一巻。淡い水色の線でサウナ室に集う人々が描かれ、その上に蛍光ピンクで「サ道」の大書きが重ねられる二色刷り風の構成は、湯気と熱気のなかに浮かぶ感覚そのものを思わせる。中央に立つ緑のワンピースの女性だけが彩色されて視線を引き寄せ、白い余白とともに静けさを湛える。にぎやかさと無心、その両義性を一枚に閉じ込めた表紙である。

著山里亮太
装丁新上ヒロシ
装画大橋裕之
朝日新聞出版 / 2018年
文学・評論