
スポットライトを浴びる歌姫の物語。マイクを握り客席に向かって微笑む少女と、それを見上げる無数の観客のシルエットが、舞台という場所に潜む高揚と孤独を同時に映し出す。表紙はネイビーを基調に、ステージ照明を淡いピンクの三角錐で大胆に切り取り、その中央に黄色いドレスの歌い手を配する。タイトルは黄縁取りの白抜き文字で光を反射するように躍り、観客席は青墨の濃淡だけで描かれた群像となる。三色に絞った構成が、ひとりに注がれる光と、見つめる側の匿名性のコントラストを鮮やかに浮かび上がらせている。

著Oyeyemi、Helen、上田、麻由子
装丁三瓶可南子
装画Emma Stone-Johnson
河出書房新社 / 2023年
文学・評論