
タイトルが告げる「人間滅亡」と「人生案内」の不穏な取り合わせは、軽妙にして辛辣に生の処方箋を語る一冊を想像させる。黒地に浮かぶのは、クレヨンを思わせる素朴な筆致で描かれた複数の顔。青や黄、白に染め分けられた肌、大きく開かれた口にのぞく歯までが生々しく、画面の端からは桃色がはみ出してくる。縦書きの題字は白い小さなラベルに収められ、原画の混沌をかろうじて律している。笑うとも叫ぶともつかぬ顔の群れが、人間という主題のおかしみと不気味さをそのまま手渡してくる。
著小沼純一
装丁六月
青土社 / 2020年
文学・評論