文学・評論
静かの海 その切ない恋心を、月だけが見ていた 下
筏田かつら
月明かりに照らされた夜の海辺で、青年と緑のパーカーを着た少年らしき人物が寄り添うように立つ装画。咲き乱れる桜と、波打ち際に散る花びら、夜空に淡く滲む月が、静謐で切ない情感を漂わせる。タイトルは縦組みで右側に配置され、文字の輪郭がほのかに発光するように処理されており、画面全体に薄紫から藍へと流れるグラデーションが広がる。タイトルの「静かの海」をそのまま視覚化したような余韻のある一枚で、見る者の胸にしずかに残響を残す表紙設計となっている。