
祖母が営む薬草店を舞台に、ハーブティーと少女サラをめぐる物語。文庫帯には「サラがいれば、私はなにがあっても大丈夫」とあり、静かな日常のなかに芽吹く希望を描いた一冊である。表紙は淡い緑とアイボリーを基調にした柔らかな線画で、白い樹々に囲まれた木造の小屋の前で、長い三つ編みの少女が白いワンピース姿で腰かけている。傍らの小机にはティーポットとカップが置かれ、欧文で副題が小さく添えられる。手描きの細い輪郭と余白の多い構図が、薬草の香りが立ちのぼるような静謐さをまとわせている。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論