
会話することが難しいとされる自閉症の当事者と、精神科医とのあいだで交わされた往復書簡をまとめた一冊。互いの言葉に耳を澄ませ、問いと応えを往復させながら、自閉症という経験の内側に近づいていく。表紙は穏やかな水色を背景に、枝と葉が画面を横切り、中央には色とりどりの鉛筆で編まれた衣をまとう少年が小枝から糸で吊られている。手書き感のある線とふっくらした明朝のタイトルが、童話のような静けさを添える。書くことで世界とつながろうとする姿が、装画のなかにそっと立ち上がる。

著青葉優一
装丁鈴木亨
装画たえ
KADOKAWA / 2017年
文学・評論