
白髪の青年と、サングラスをかけた幼い子どもが床に座り込み、スマートフォンを覗き込む日常の一場面を描くコミック。散らばった文具や小物、シール、紙片が画面いっぱいに広がり、生活の雑然とした密度がそのまま物語の手触りになっている。表紙では太く白抜きされた仮名タイトルが人物の上に大きく重ねられ、賑やかな色面を整理する余白として機能している。装画とタイポグラフィの位置関係が、生活と物語のあいだの距離をやわらかく示している。
著須賀しのぶ
装丁高柳雅人
装画遠田志帆
KADOKAWA / 2019年
文学・評論