
日本の女性たちが日々受け取る違和感や怒りを、海の向こうのアイドルや少女たちの存在に重ねながら掬い上げた長編小説。表紙は淡いピンクと水色の空を背景に、黒いネイルを施した両手が宙へ伸び、こぼれる飲み物のマグカップ、市松柄のスリッパ、花や菓子が軽やかに舞うイラストで構成される。題字は重みのある明朝体で縦に据えられ、浮遊するモチーフと静かに拮抗する。日常の小さな破片を空へ投げ上げる手つきが、内側からの解放へとそのまま連なっていく一冊。
著いとうせいこう
装丁佐藤亜沙美
河出書房新社 / 2014年
文学・評論