
水彩で描かれた少女が、雲の上でキャンバスに筆を走らせている。長い髪が風になびき、足元には街並みや小さな人影が浮かぶ──天上から下界を見下ろすような、静かで幻想的な情景の物語。淡い水色とピンクが溶け合う背景に、墨筆を思わせる太く伸びやかな仮名タイトルが右側へ大きく配される。手描きの線と余白を生かしたレイアウトが、夢と現実の境を漂わせる。絵筆を握る少女の姿そのものが、描くことで世界に触れようとする本作の主題を静かに告げている。
著峰浪りょう
装丁コードデザインスタジオ
集英社 / 2021年
コミック・ラノベ・BL