
言葉にならない思いや、まだ口に出していない明日の言葉を抱えた子どもたちの姿を描く、短編集。声になる前の感情の揺らぎを、やわらかな筆致で掬い上げる。表紙は、目を伏せた少女がうっすらと微笑む横顔のパステル画。黄・桃・水色・若草色がにじみあい、画面全体が朝の光のように混ざり合う。タイトルは右上に小さく白い余白窓を設け、明朝で縦三行に静かに置かれる。絵の温度を遮らない控えめな組版が、まだかたちにならない言葉のあわいをそのまま手渡している。
著濱野京子
装丁城所潤
装画あわい
静山社 / 2023年
絵本・児童書