
森の奥にぽつんと建つ山小屋を、赤いリュックを背負った子どもが見上げている場面から始まる児童書。夏休みに祖父のもとを訪れた子どもの一夏を描いているのだろうか、と想像させる入口の絵だ。木漏れ日に透ける緑の濃淡、苔むした地面、幹の質感までを丁寧に描き込み、タイトル文字は手書き風の白で空に浮かべて葉群と重ねている。読み手をそのまま小径の手前に立たせ、子どもの背中を追って小屋まで歩かせるような、奥行きのある一枚になっている。
著野中ともそ
装丁大岡喜直
装画シマ+シンヤ
光文社 / 2023年
文学・評論