
異世界を舞台にした戦記SF。複数の種族が交わり争う世界の断片を、著者自身が綴った長編である。表紙はモノクロームの鉛筆素描で、甲冑をまとった人物像が立ち上がり、画面右下には小さな後ろ姿の人影が霞む。その上から白く掠れた粗いレタリングの英題が重なり、背景は銀灰色の地に滲みと汚れが散る。設計図とも拓本ともつかぬ無骨な質感が、白銀という色名に潜む冷たさを、戦場の手触りへと静かに導いていく。

著石川緑
装丁泉沢光雄+SEBUN PHOTO+amanaimages
KADOKAWA / 2014年
文学・評論