
児童文学誌の2016年夏号、特集は「どうぶつ童話、どう?」。フクロウ、ワニ、鳥、魚など多様な生き物が密集する森の情景を、版画的なタッチで描いた一枚を表紙全面に配した号である。深い青を地に黒のシルエットで動植物を刻み込み、誌名と特集タイトルだけを白と鮮やかなイエローで抜くことで、絵の中に文字が灯りのように浮かび上がる。手彫りの線が残す粗さと、誌面下部に小さく並ぶ執筆者名の整然としたタイポグラフィの対比が、童話というジャンルの素朴さと文芸誌としての矜持を同時に伝えている。
著濱野京子
装丁城所潤
装画あわい
静山社 / 2023年
絵本・児童書