
角川ホラー文庫の一冊。タイトルが示すのは、看取りでも介護でもない、その境界を踏み越えた先にある奇妙な生活の記録だろうか。表紙は薄暗い洋館の一室を舞台に、白いエプロンドレスをまとった少女が中央に立ち、背後にはアーチ窓と燭台、深紅のソファ、寝台に横たわる影が配される。光源を絞った油彩風の筆致が陰影を濃く落とし、人物だけが淡く浮かび上がる。タイトルは縦書きの明朝で右側に大きく据えられ、文字の重さが画面の静けさを引き締めている。屋敷の闇に立つ介護者の姿が、物語の薄ら寒い親密さを先に告げている。

著斜線堂有紀
装丁カマベヨシヒコ
装画くっか
KADOKAWA / 2018年
文学・評論