
幕末、新選組として生きた若者たちの物語を児童文学として描いた歴史小説の上巻。表紙には、長い髪を風になびかせて振り返る若い隊士が大きく据えられ、その瞳と頬にかすかな朱が差す。背景は深い藍緑に細かな飛沫が散り、夜の闇とも血の名残ともつかぬ気配を漂わせる。タイトルは鮮烈な蛍光ピンクの太い明朝で縦に大きく組まれ、横には小さく英字のロゴが添えられて、古典的な題字と現代的なグラフィックが拮抗する。少年の眼差しと刺すような色のコントラストが、戦いに向き合う者の若さと覚悟を静かに立ち上げている。
著濱野京子
装丁城所潤
装画あわい
静山社 / 2023年
絵本・児童書