一覧に戻る文学・評論人間失格人間社会に馴染めず堕ちてゆく青年の手記。「恥の多い生涯を送って来ました」と告白から始まる、自己と他者を隔てる薄い膜を解剖した告白体の代表作。カバーは、罅割れた石壁を背景に、白と黒の市松模様の床へ据えられた木の椅子に腰かける学ラン姿の青年を、漫画的な細密描写で写す。その像の上から、朱の太い活版調の文字で表題が押し付けるように大書される。繊細に描かれた人物と、荒く刻印された赤い活字の衝突が、内側の脆さと外へ走る亀裂を一枚に重ねている。About出版社泉沢光雄出版年1990年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁泉沢光雄装画小畑健