
シャーロック・ホームズの宿敵モリアーティ教授の死後を起点に、ロンドンの裏社会を舞台とした犯罪小説。ホームズ不在の物語空間に、捜査官の視点から事件と陰謀が立ち上がっていく続編的なミステリである。深紅の地に二人の男性をフラットなイラストレーションで配し、互いに背を向け合うシルエットが構図の中央に余白を生む。縦縞のベストと藍のコート、白く抜かれた欧文タイトルが層状に重なり、白と紺の和文タイトルが画面中央を貫く。古典への参照と現代的な平面構成が、ひとつの輪郭の中で静かに対峙している。
著栗原ちひろ
装丁西村弘美
装画THORES柴本
KADOKAWA / 2016年
文学・評論