
死と婚活、二つを司る巫女が理想の勇者を追い求めるという、コミカルな筋立てを思わせる一冊。表紙は白を大きく抜いた背景に、銀色の長髪と祈るように組んだ手をもつ少女を中央に据えた。タイトルはくすんだ桃色の筆文字で縦に流し、左上には朱色の手書き風の吹き出しが軽やかに添えられる。少女の足元に広がる金茶の円環文様は祭儀の場のような厳かさを湛え、清楚な人物像と物語の遊び心を、淡い色面のなかでやわらかく結びつけている。
著川村元気
装丁鈴木成一デザイン室
カバー写真Tomas Rawski
文藝春秋 / 2016年
文学・評論