一覧に戻る文学・評論エムブリヲ奇譚山白朝子旅する物語作家が辺境で出くわす怪異を綴った連作短篇集。生死の境や母性のほの暗さを掠めるように進む、静かな幻想譚である。表紙は伏し目がちの女性をデジタル筆致で描き、唇に小さな赤い実のようなものを含ませる。藤色と灰の滲みが縦のノイズで裂け、淡い肌色が霞むなかで、左端を貫く朱の題字帯と口元の赤だけが呼応して立ち上がる。曖昧な像の中に残る赤が、物語の核にある不穏をそっと指し示している。About出版社KADOKAWA出版年2016年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁中村晋弥(LUCK’A Inc.)装画石田スイAmazonで見る