
京都・祇園を舞台に、拝み屋の家に生まれた少女と周囲の人々が織りなす日常と怪異を描くシリーズの第九巻。表紙は朱塗りの社殿と提灯を背景に、ギンガムチェックのブラウスをまとった少女、白衣の青年、灰色の猫を抱く青年の三人を水彩で柔らかく配し、淡い朱と白を基調に細い線描で人物の輪郭をすっと立ち上げている。和題字は明朝の縦組みで右上に大きく置かれ、巻数の「9」だけが朱で抜かれて差し色になる。古都の気配と等身大の青春が、にじみを残した筆致で穏やかに重なる一冊。

著三萩せんや
装丁コードデザインスタジオ
装画p!k@ru
KADOKAWA / 2015年
文学・評論