
1918年、スペイン風邪が猛威を振るうダブリンの小さな産婦人科病室を舞台に、看護師たちが「生命」のために闘い続ける姿を描いた長篇。匂い、汚れ、暴力、差別、繰り返される死――その手触りを今に重ねるパンデミック・ケアギバー小説である。表紙は淡い水彩で病院の長い廊下を奥行き深く描き、白衣の二人の後ろ姿を中央に据える。手書き風の英題と縦組みの邦題を青の帯が下から支え、静謐さの奥に張り詰めた緊張がにじむ装幀となっている。

著俵万智、与謝野晶子
装丁名久井直子
装画中村佑介
河出書房新社 / 2018年
文学・評論