
昭和の落語界で活躍した名人たちを、同時代を生きた噺家が楽屋の側から語り直す一冊。志ん朝、円楽、談志ら、舞台の上では見えない素顔を、距離の近い目撃者の声で記録する。生成り色の地に、墨で淡く描かれた噺家たちの似顔絵が薄く重なり、その上に縦組みのタイトルを朱の長方形で力強く打ち抜く。下方には黄色い帯が走り、推薦文と肩書きの活字が雑誌的なリズムで並ぶ。一枚絵に頼らず、文字と人物スケッチを舞台と客席のように配した構成が、楽屋の喧騒と語りの温度をそのまま誌面に呼び込んでいる。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論