
言葉が物語の輪郭を超え、跳ねるように散らばっていく短編集。「物語」と「言葉」が弾ける26篇の小宇宙が収められる。淡いオレンジの地に、ターコイズとピンクで組まれたカタカナのタイトルが大きく踊り、字面そのものがリズムを刻む。文字は時に裏返り、時に傾き、版面のグリッドからこぼれて並ぶ。書名のローマ字表記が縁取りのように添えられ、帯の落ち着いた紺の見出しが浮遊する文字群を地上に繋ぎ止める。読む前から、言葉が音として弾むことを予告する一冊。
著長井短
装丁佐々木俊
装画矢野恵司
朝日新聞出版 / 2024年
文学・評論