
ある国で人が死ななくなった——その異変を起点に、生と死をめぐる思考と寓意を編む長編小説。死神を主題にしながら、悲しみよりも諧謔と静かな思索の手触りで読ませる一冊。グレーの地に、頭巾をまとった骸骨が長い黒衣をたなびかせ、紫の紙片を撒き散らすコラージュ風の装画が大きく置かれる。タイトル文字は線の細い手描き仮名で、骨の白と紫の断片に呼応するように画面を縦に貫く。重たい主題を軽やかな図像で受け止める、寓話の距離感がそのまま表紙に立ち上がっている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論