
不審死が続く貸家を舞台に、ルポライターと探偵が怪異の正体に挑むホラー長篇。事件物としての構成と、土地や家屋にまとわりつく因縁を重ねる物語が、装丁にもそのまま流れ込んでいる。鮮烈な青の空に赤い炎の影、二階の縁側に佇む人影、足元から咲き上がるピンクの花、そして画面下半分を覆う黒い滴り。タイトルは荒々しい筆致の白文字で縦に据えられ、帯の煽り文と書体が物語の不穏さを際立たせる。美しさと禍々しさが同居する一軒家の像が、読む前から背筋を冷やしてくる一冊。
著和泉桂
装丁西村弘美
装画さとい
KADOKAWA / 2016年
文学・評論