文学・評論
彼女が好きなものはホモであって僕ではない
浅原ナオト
ゲイであることを隠して生きる男子高校生と、BL好きな同級生の少女。両者の距離は近づくほどに、互いの「好き」のかたちのずれを浮かび上がらせる。表紙は淡い水彩とラフな線で描かれた制服姿の二人が、白い余白のなかで膝を寄せ合うように座る構図。少年のシャツとローファー、少女のスカートと脱ぎ捨てられたパンプスが青を基調にまとめられ、彼女の足元に置かれた一冊だけがほのかな赤を差す。寄り添う身体と、そこに通わない感情の温度差を、線の柔らかさと色面の静けさで受け止めた一冊。