
黄色い光の中に少女と白い猫が寄り添う、漫画家・小林エリカによるシリーズの第一巻。原子力と放射能をめぐる近現代史を、個人の記憶と物語の手触りで描き直していく長編の入り口にあたる。表紙は鮮やかな黄を基調に、線画の人物と猫を淡いクリーム色で抜き、タイトルは縦組みの赤い手描き文字で重ねられている。斜めに走る白い細線が降りそそぐ光のように画面を貫き、やわらかな筆致と相まって、漫画という形式が抱える「明るさの中の不穏」を静かに予告している。
著巻来功士
装丁セキネシンイチ制作室
イースト・プレス / 2016年
コミック・ラノベ・BL