
ポストモダン以降の現代アメリカ小説を、その輪郭がぼやけていく様を見据えながら読み解いた評論的探訪。「自由の国」のアイデンティティと「小説」が時代と社会をどう捉えうるのかを問う一冊である。淡い生成り地に、薄紫・水色・桜色のラフな筆触が境界も決めずに散らばる装画。明朝の和文タイトルと細身のサンセリフ欧文が静かに重なり、帯の力強い肉太ゴシックが書物としての気概を補強する。輪郭が薄れゆくテーマを、紙面の余白そのものに溶かし込んだ表紙だ。

著Shusterman、Neal、池田、真紀子
装丁坂野公一+吉田友美
カバー写真Getty Images
講談社 / 2018年
文学・評論