
読者から寄せられた膨大な質問に著者が答えた、ウェブ連載をもとに編まれた一冊。気軽な相談から深い問いまで、人と作家のあいだに交わされた言葉の往復が、肩肘張らない口調で綴られていく。カバーは線画と淡い緑を基調にした、森のなかの一場面。木立の下で大きな猫や羊、土を掘るモグラに囲まれて寛ぐ人物が描かれ、足元にはピクニックバスケットとレコードが置かれている。手書き風タイトルと帯の太いゴシックが、絵の柔らかさをほどよく引き締める。読み手と書き手が同じ草地に腰を下ろすような距離感を、絵の温度がそのまま伝えてくる装い。

著柾木政宗
装丁川谷康久
装画焦茶
新潮社 / 2019年
文学・評論