
鉛筆を片手に何かを考え込む少女・キニ子の日々を綴った児童書。日記という極私的な形式を通して、子どもの内面に流れる小さな出来事や感情のゆらぎを掬い上げる一冊。鮮やかな朱赤を地に敷き、中央には円形にトリミングされた人物画を据え、四隅と下部には表情の異なる少女のカットを配して、額装のような細い罫線で全体を囲っている。タイトルは太く重みのある明朝で、欧文の副題が細罫の中に納まる。装画の親しみやすい線と、和洋折衷の額縁構成が、日記帳をめくる手触りそのままに視線を中央へ導いている。

著工藤純子
装丁坂川朱音
カバー写真田中達也+MINIATURE CALENDAR
講談社 / 2023年
文学・評論