
韓国系アメリカ人作家による児童文学。祖母の語った民話の中のトラが現実に現れ、少女に「盗まれた物語」を返すよう迫る——記憶と家族の物語をめぐる長編。表紙では、闇に渦巻く線と小さな星々を背に、巨大なトラがしゃがみ込み、縞のワンピース姿の少女と鼻先で向き合う。手描き風の英題と、山吹色と白で組まれた和題が縦に流れ、緊張と親密さが同居する一瞬を一枚に収めている。物語が動き出す気配を、構図そのものが告げる。

著KimberlyBrubaker Bradley
装丁川島進
装画浦上和久
評論社 / 2019年
絵本・児童書