
古代エジプトを舞台にした冒険譚で、黒く聳えるピラミッドをめぐる謎と神々の影を描いた長編。カバーは深い黒地にアヌビス神を頂点とした正三角のピラミッドを中央に据え、金とオレンジ、わずかな緑で象形文字やアンクを縁取る。背景には放射状の光と星々が散り、下段には縞模様の小ピラミッド群が並ぶ。タイトルは黄から緑へのグラデーションで掲げられ、画面全体が古代壁画と現代の装画的構図のあわいに置かれている。重厚な黒と装飾的な金の対比が、闇に呑まれた遺跡へ踏み入る物語の緊張をそのまま視覚に翻訳している。

著古宮九時
装丁鈴木亨
装画浅見なつ
KADOKAWA / 2017年
文学・評論