文学・評論
ナミダ列車 1時間5分、君とたどる奇跡
一ノ瀬亜子
青いワンピースに赤いリュックを背負った少女が、夏の駅のホームに佇むイラストレーション。線路の向こうには山並みと白い雲が広がり、停車する一両編成の列車が淡い光に包まれている。1時間5分という限られた時間のなかで紡がれる、再会と奇跡をめぐる青春恋愛小説。タイトルは縦組みの白抜き大文字で画面右に大きく配し、絵の青空と呼応させながら、空気の透明感と切なさを誌面全体に響かせる構成になっている。帯の手書き風文字が、物語に流れる声の温度をそっと添えている。