一覧に戻る文学・評論アスクレピオスの愛人医神アスクレピオスの名を冠する題が示すのは、医療の現場に身を置く女性をめぐる物語。聴診器を首から下げ、白いシャツに土色のパンツをまとう女性が、肌の黒い幼子を腕に抱いて大樹の幹に身を寄せる姿が、油彩のタッチで描かれる。背後には簡素な天幕が点在し、遠い地での医療支援の場であることをうかがわせる。題字は樹皮に重なる白の縦組み、その下に仏語の副題が手書き風に小さく添えられ、絵画の静けさを乱さない。一枚の絵が、語り出される前の物語の体温をそっと伝えてくる。About出版社新潮社出版年2015年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁新潮社装幀室装画吉實恵