
太宰治『人間失格』を原案とした、近未来SF劇場アニメのノベライズ。「昭和111年、僕は人間を失格しました──」という一文が示す通り、原作の精神を未来へ拡張し、ダークヒーローの生き様を描く。カバーは黒地に白銀の髪をした青年の正面像を配し、その身体から複数の白い翼状の形態が放射状に伸びる構図。右半身では赤い結晶が皮膚を侵食するように広がり、瞳の朱色と呼応する。タイトルは欧文の大ぶりな白抜きで頭上に据えられ、和文のサブタイトルや著者名は縦書きで余白に静かに添えられる。鋭利な線と濃い陰影が、変質していく身体と「失格」の主題を視覚化している。
著浅生鴨、京楽産業.株式会社、スロウカーブ
装丁團夢見
装画コザキユースケ
新潮社 / 2019年
文学・評論