
スラヴ民話の魔女バーバ・ヤーガの伝承を下敷きにした児童文学。鶏の脚で森を歩く家に暮らす少女と、死者たちとの間で揺れる物語が、瑞々しい筆致で綴られる。深い藍色の夜空を背景に、赤い屋根と灯の点る窓を持つ小さな家が黄色い鶏の脚で立ち上がり、足元には頭蓋骨と花々、青い葉が散りばめられる。タイトル文字は手描き風の白で、ややいびつに弾むように配される。怪奇と愛らしさが同居する画面は、童話の闇とぬくもりを同じ温度で抱きとめている。

著一志治夫
装丁吉田昌平
装画ヒラノトシユキ
小学館 / 2016年
ビジネス・経済