
英国人ジャーナリストの一家がフランス各地を巡り、その食文化と国民性に分け入っていく紀行エッセイ。料理学校に飛び込み、星付きレストランや市場を歩き、台所から見える「フランスとは何か」を綴る一冊。表紙は線描の銅版画風イラストレーションを下地に敷き、シェフや「自由の女神」を思わせる人物が群像をなす。その上に、太く力強い明朝のタイトルが大きく置かれ、白地と細密な線、黒い文字の対比が画面に強い緊張をつくる。腰巻きの赤と縦組みの惹句が、紙面の静けさにわずかな熱を添えている。緻密な線と重量のある文字組が、軽妙な食紀行の奥にある観察の鋭さを示唆している。
著松本大洋
装丁セキネシンイチ制作室
小学館 / 2022年
コミック・ラノベ・BL