
声優として歩んできた30年間を本人の言葉で振り返るファースト・エッセイ集。仕事や推し活への向き合い方を、全編書き下ろしで綴った一冊である。淡い水色の地に白いドレスの人物を配し、肩に白猫を乗せ、足元には魔法少女の小道具やドラゴンを思わせるモチーフが寄り添う構成。明朝体の太いタイトルが画面右に縦組みで据えられ、人物の繊細な線画とのコントラストが穏やかに響き合う。空想と現実が同じ画面に並び立つ装丁が、職能の重層性をそのまま視覚化している。

著堀江敏幸
装丁間村俊一
装画堀江栞
中央公論新社 / 2018年
文学・評論