一覧に戻る文学・評論幻痛は鏡の中を交錯する希望長沢樹幻痛と希望——相反する感覚を鏡の内で重ねるタイトルが、見えない傷と微かな光の関係を静かに示唆する。淡い水色と灰、薄紅が滲む画面には、薔薇の枝越しに伏し目の人物が朧げに浮かび、絵具のしずくと擦れが層をなして揺らぐ。大ぶりの明朝で置かれた白い表題は、儚い画像を貫きながらも侵食されず、痛みと光が同じ表面で交差する場所を、装丁そのものが一枚の絵として差し出している。About出版社中央公論新社出版年2016年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁鈴木久美(角川書店装丁室)装画大槻香奈Amazonで見る