
仮想世界の創造とそこに生きる存在たちを描くSFシリーズの第二巻。プレイヤーが世界そのものを編むなかで、人ならざる者たちとの関係や文明の輪郭がゆっくりと立ち上がっていく物語が続く。表紙は焚き火を囲む三人の姿を夜の森に配し、橙色の炎の照り返しが肌や葉を浮かび上がらせる。膝を抱えて俯く人物、背を向けて立つ人物、火に手をかざす緑の肌の人物——それぞれの距離と視線が、共生の不確かさを静かに示す。大きく抜かれた「02」の白い数字が、暗い情景の上に物語の章を刻むように据えられている。世界を作る側と作られる側の境界を、夜の温度ごと閉じ込めた一冊。
著北森鴻
装丁大岡喜直
装画toi8
講談社 / 2021年
文学・評論