一覧に戻る文学・評論おやすみ人面瘡白井智之少女の顔に人面瘡が現れる怪異から始まる、グロテスクとミステリの境を歩く長編。語り口の軽さに反して、提示されるのは人体の崩れと倫理の崩れが等しく扱われる不穏な世界だ。カバーには、伏し目がちにこちらを見る制服姿の少女が大きく配される。皮膚や衣服には罅割れと滲みが緻密に描き込まれ、頬の傷からは黒い涙が伝う。タイトルは鮮烈なマゼンタの明朝で縦に置かれ、退色した画面に唯一の生々しい血色を与える。可憐さと損傷が同居する画面そのものが、本作の主題を静かに先取りしている。About出版社KADOKAWA出版年2016年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁坂詰佳苗装画shichigoro-shingoAmazonで見る