
近代日本の文豪たちのあいだに結ばれた友情を、書簡や評伝の断片からたどり直す一冊。互いに敬意と対抗心を抱きながら言葉を交わし合った関係の機微が、しなやかな筆致で綴られている。深い臙脂を地にしたカバーには、酒場の薄明かりのもとで杯を交わす二人の人物が線画で描かれ、吊りランプから立ちのぼる煙の金色がやわらかく揺れる。題字は明朝の縦組みで右に大きく配され、画面の親密な会話の温度をそのまま受けとめている。文豪たちの関係を、まさに灯火のそばで覗き見るような距離感の装丁である。
著YeatsWilliamButler、芥川竜之介、ほか
装丁根本綾子
リットーミュージック (発売) / 2022年
文学・評論