
人と猫の物語を集めた短編集。夜の街で交わされる出会いや別れ、寄り添いの瞬間を、淡くやわらかな筆致ですくい取る。表紙は、傘を差してしゃがみ込む人物が小さな白い猫を見つめる場面を、街灯と窓明かりが滲む夜景のなかに描く。赤いマフラーだけが暖色の点として浮かび、黄色と灰青のグラデーションが冬夜の湿った空気を伝える。題字は縦組みの白抜きで控えめに添えられ、絵の物語性を遮らない。装画と余白の取り方が、本のなかの静かな温度をそのまま手に渡す一冊。
著YeatsWilliamButler、芥川竜之介、ほか
装丁根本綾子
リットーミュージック (発売) / 2022年
文学・評論