
和の機巧人形をモチーフにした連作の続編にあたる一冊。江戸の絡繰り技術と西洋的な機械文明が交錯する世界観のもと、人形たちの覚醒と、それを取り巻く人々の思惑が描かれる。表紙は鋲を打ったコルセット風のドレスをまとう女性の上半身像を中央に据え、背後には鉄骨と歯車を思わせる構造物が紫の空に広がる。「新世界覚醒篇」のサブタイトルは赤地に金の縦短冊で掲げられ、英字タイトルや題字の白抜き活字とともに、緻密な線画と退廃的な色面のコントラストを引き締めている。機械と人、和と洋、その境目に佇む眼差しを、装画と書体が静かに重ね合わせる一冊。

著山崎豊子
装丁新潮社装幀室
装画agoera
新潮社 / 1961年
文学・評論