
良い子」であることに息苦しさを覚えながらも、自分のままで生きていこうとする日々を綴ったエッセイ集。淡い水色の地に、朱色のジャージ姿で大の字に投げ出された人物が一人。周囲には鉛筆や本、靴、メガネ、書類などの日用品が、細い青の線でふわりと散らばる。手書きの趣を残した朱色のタイトル文字が、人物の身体と呼応するように紙面を斜めに駆け抜けていく。整えられた持ち物のなかで、ただ一人だけが色と熱量を持って身を投げ出す——その対比に、書名の宣言がそのまま絵になって現れている。
著小津夜景
装丁脇田あすか
装画杉本さなえ
KTC中央出版 / 2024年
文学・評論